ドローン農薬散布の料金相場|栃木県で依頼する前に知っておきたい費用の内訳

②業者選び・依頼の流れ

ドローン農薬散布を検討するとき、まず知りたいのは「結局いくらかかるのか」ではないでしょうか。ところが業者のサイトを見ても「お見積り」とだけ書かれていて、目安すら分からないことが少なくありません。

私は栃木県下野市でKONA-DRONE(コナドローン)というドローン事業を運営し、DJI Agras T25という農業用ドローンを使って、水稲を中心に農薬散布を請け負っています。日々お問い合わせをいただく中で、いちばん多いのがやはり料金に関するご質問です。

いちばん多いのは「全部でいくらになりますか」というご質問です。10アールあたりの単価よりも、所有されている田んぼをまとめて散布した場合の総額を知りたい、という方がほとんどです。「4枚あって合計1.5ヘクタールの散布をお願いしたらいくら?」といった形でご相談をいただくことが多くあります。

この記事では、ドローン農薬散布の料金がどう決まるのか、相場はいくらくらいなのか、そして作業費以外にどんな費用がかかるのかを、面積別のシミュレーションを交えて整理します。当方の料金も公開しますので、見積りを比べる際の材料にしていただければと思います。

なお、ドローン散布の仕組みそのものについては「ドローン農薬散布とは?仕組み・料金・注意点を解説」で、業者を選ぶ際に確認したい点については「失敗しないドローン農薬散布業者の選び方」で解説しています。あわせてご覧ください。

ドローン農薬散布の料金はどう決まるのか

基本は「面積あたりの作業費」

ドローン農薬散布の料金は、ほとんどの業者が「面積あたりいくら」という形で設定しています。単位は10アール(1反、約1,000平方メートル)が一般的です。

時間あたりではなく面積あたりなので、その日の作業が早く終わっても、風待ちで時間がかかっても、請求額は変わりません。依頼する側から見ると、事前に金額を計算できる分かりやすい仕組みだと思います。

相場は10アールあたり2,000円〜3,000円

各社が公開している情報を見ると、水稲の液剤散布で10アールあたり2,000円〜3,000円あたりが中心的な価格帯です。なかには1,000円台前半を掲げているところもあれば、3,000円を超える設定のところもあります。

これだけ幅がある理由は、業者ごとに料金へ含まれる範囲が違うためです。

  • 農薬の手配が料金に含まれるか、お客様手配か
  • 出張費・交通費が別請求か
  • 圃場の条件(変形田、障害物、中山間地など)による加算があるか
  • 最低面積・最低料金の設定があるか

単価の数字だけを並べても比較にならないのは、このためです。見積りを取る際は「10アールいくら」ではなく、総額でいくらになるかを確認してください。

KONA-DRONEの料金

当方の料金は、10アールあたり税別2,200円を目安としています。農薬はお客様にご用意いただく形です。

相場のちょうど中間あたりの設定です。この金額は、栃木県下野市を拠点とすることによる移動距離の短さと、使用機体であるDJI Agras T25の作業効率を前提としています。

T25は20リットルのタンク容量があり、散布幅が最大7メートルまで対応できます。散布幅が広いぶん圃場内の往復回数が減り、1枚あたりの作業時間を短縮できます。また、機体で圃場の測量を行い、その結果をもとに自動航行で散布する仕組みのため、作業のばらつきが出にくいという特徴があります。

なお、圃場の条件や面積によっては金額が前後します。あくまで目安としてお考えください。

面積別の料金シミュレーション

10アールあたり2,200円(税別)で計算した場合の目安です。

面積1回あたり年3回散布した場合
30アール(3反)6,600円19,800円
50アール(5反)11,000円33,000円
1ヘクタール(10反)22,000円66,000円
3ヘクタール66,000円198,000円
5ヘクタール110,000円330,000円

※すべて税別・農薬代別の目安です。

水稲の場合、除草剤(初期、中期、後期)・いもち病防除・斑点米カメムシ防除で、年2〜3回散布するのが一般的です。どの時期に何を撒くかについては「水稲の防除適期カレンダー」で整理していますので、年間の回数を見積もる際の参考にしてください。

作業費以外にかかる費用

見積りを比較するときに見落としやすいのが、作業費以外の項目です。

農薬代

当方を含め、農薬はお客様手配とする業者が多いです。理由は、使用する薬剤の選定が経営方針や地域の防除暦に左右されるためです。

農薬代は薬剤の種類によって差が大きく、10アールあたり数百円から数千円まで幅があります。作業費とは別に見ておいてください。

なお、農薬は必ずラベルに記載された使用方法・希釈倍率の範囲でお使いください。ドローン散布に対応していない剤もあります。

出張費・交通費

拠点からの距離に応じて、別途請求となる業者があります。近隣の業者を選ぶメリットは、この部分で効いてきます。

当方は栃木県下野市を拠点としているため、近隣の圃場であれば移動の負担が小さく済みます。

圃場条件による加算

同じ面積でも、圃場の条件によって作業のしやすさは大きく変わります。

  • 電線や電柱、樹木などの障害物がある
  • 変形田で自動航行の経路が組みにくい
  • 1枚あたりの面積が小さく、枚数が多い
  • 隣接する圃場や住宅との距離が近く、飛散に特別な配慮が必要

実際の例を挙げます。車で5分圏内に4枚、合計1.5ヘクタールという圃場をお引き受けしたことがありますが、このときは全体でおよそ1時間かかりました。散布そのものより、圃場から圃場への移動と、そのつど発生する準備に時間を取られる形です。

こうした条件は、事前の現地確認である程度見通しが立ちます。見積り依頼の際に圃場の場所と枚数をお伝えいただけると、より正確な金額をお出しできます。

なぜまとまった面積のほうが割安になるのか

多くの業者が、5ヘクタール以上などまとまった面積の依頼に対して単価を下げています。これには理由があります。

ドローン散布の作業時間は、散布そのものだけで決まりません。移動、機体の準備、バッテリー交換、薬液の調製、圃場ごとの設定といった付帯作業が、かなりの割合を占めます。

圃場が1か所にまとまっていれば、この付帯作業を1回で済ませられます。逆に、同じ面積でも離れた場所に点在していると、移動と準備が回数分だけ発生します。

数字で比べると、差ははっきり出ます。1枚で0.9ヘクタールある圃場であれば、散布時間はおよそ10分で完了します。一方、先ほどの「車で5分圏内に4枚・合計1.5ヘクタール」というケースでは、全体で約1時間かかりました。

面積あたりの時間に直すと、3倍以上の開きがあります。この差を生んでいるのは散布そのものの速度ではなく、圃場を移動して、そのたびに準備をやり直す回数です。

そのため、近隣の農家さんと一緒に依頼するという方法は有効です。地域でまとめて発注いただければ、こちらも効率よく回れますし散布料金のお値引きも可能となる場合がございます。

自分で撒くか、業者に頼むか

料金を考えるうえで、最終的に比較の対象になるのは他社ではなく「自分で撒く場合」だと思います。

農薬散布ドローンを自分で導入する場合、機体本体に加えて、バッテリー、充電設備、保険、機体登録、そして操縦資格の取得費用がかかります。T25クラスの機体であれば、初期費用は数百万円規模になります。

一方、委託であれば初期費用はゼロです。5ヘクタールを年3回散布して年間33万円という計算になるので、単純に費用だけを比べれば、面積が小さいうちは委託のほうが負担は軽くなります

ただし、この判断は費用だけでは決まりません。

  • 散布のタイミングを自分の都合で決められるか
  • 作業する人手が確保できるか
  • 今後、作付面積を広げる予定があるか

このあたりが絡んできます。面積が大きく、かつ長く続ける前提であれば、自社導入が合理的になる場面もあります。

実際にご依頼いただいた方から、「自分でドローンを買って維持するより、頼んだほうがコストが安い」と言われたことがあります。機体の代金だけでなく、バッテリーの交換、保険、資格の維持といった費用が毎年かかり続けるためです。

一方で、30ヘクタール規模を扱う法人のような大規模経営であれば、自前で持ったほうが有利になるケースもあります。面積が大きく散布回数も多いほど自社導入が近づき、それ以外の多くの場合は委託のほうがメリットが大きい、というのが実感です。

見積りを取るときに伝えるとよいこと

正確な金額を出すために、以下をお伝えいただけると話が早く進みます。

  1. 圃場の場所(市町村と、おおよその位置)
  2. 総面積と圃場の枚数(「合計3ヘクタール、8枚」など)
  3. 希望する散布時期(何月頃、年何回か)
  4. 作物と使用予定の農薬(決まっていれば)
  5. 周辺の状況(住宅、電線、他の作物の有無)

すべて正確でなくても構いません。「だいたい」で結構ですので、分かる範囲でお知らせください。

まとめ

ドローン農薬散布の料金について、要点を整理します。

  1. 料金は「10アールあたりいくら」で設定されるのが一般的
  2. 相場は10アールあたり2,000円〜3,000円が中心的な価格帯
  3. KONA-DRONEは10アールあたり税別2,200円が目安(農薬はお客様手配)
  4. 単価だけでなく、農薬代・出張費・圃場条件による加算を含めた総額で比較する
  5. まとまった面積、近い圃場のほうが効率がよく、条件も出しやすい
  6. 面積が小さいうちは、初期費用のかからない委託のほうが負担は軽い

料金は圃場の条件によって前後しますので、正確な金額はお見積りでご確認ください。

KONA-DRONEでは、栃木県下野市を拠点に、DJI Agras T25による水稲の農薬散布を承っています。「まず金額だけ知りたい」というご相談でも構いません。圃場の場所と面積をお知らせいただければ、目安をお伝えします。

ご相談・お見積りはKONA-DRONE公式サイトのお問い合わせフォームからお願いいたします。

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